オーガナイズセッション開催報告
報告者:井上博行(福井大)
日 時:2008年9月18日(土) 13:30〜17:30
会場:Nagoya University, Nagoya, Japan
Joint 4th International Conference on Soft Computing and Intelligent
Systems and 9th International Symposium on Advanced Intelligent
Systems(SCIS & ISIS 2008)が9月17日(水)〜21日(日)の日程で,名古屋大学にて開催されました.その2日目(発表に関しては初日)の18日に人間共生システム研究会が主催するオーガナイズドセッションが2セッション(Human Symbiotic System I & II)組まれました.セッションオーガナイザーは,福井大学の前田先生と東京工業大学の片上先生です.
最初のセッション(Human Symbiotic System I)は,片上先生の司会で始まりました.このセッションでは,前田先生の挨拶の後,音楽や色,デザインなどに関する研究を中心に4件の発表がありました.
最初は,福井大学の梶原さんより12音技法の音列をGAにより自動生成するシステムについての発表でした.シェーンベルクのピアノ協奏曲を流しながらのプレゼンテーションでした.得られた音列を聴いて,昔のゲーム音楽のように感じたのは私だけでしょうか.
次の発表は,立命館大学のE.Cooper先生による,製品の機能と個人の色の好みとの関係をモデル化する研究についての発表でした.機能と色を結びつける発想は面白く,実際にシステム化されると製品を買う際に役立つだろうと思いました.
3番目の発表は,首都大学東京の下河原先生でした.人が写っている画像から,人物部分を抽出し,色情報をクラスタリングすることにより,服の領域などの領域分けを試みられていました.
このセッションの最後は,私,井上の発表でした.対話型遺伝的アルゴリズムを用いた配色支援システムについて発表をしました.主に,好みの色を取り入れ配色を構成することや,ユーザの相対的な評価を補助するためのソーティング機能について発表をしました.
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E.Cooper先生(立命館大学) |
井上(福井大学) |
休憩後,前田先生の司会で2つ目のセッション(Human Symbiotic System II)が行われました.こちらのセッションは,ロボットやエージェントに関する研究が中心でした.
最初は,首都大学東京の増田さんがロボットアームの知的制御のための知覚システムについて発表されました.3D距離カメラを用いて網膜構造をベースにした知覚システムなどが提案されました.
次に,電気通信大学の橋山先生が人間とロボットのジェスチャーインタラクションのための研究についての発表でした.人間のジェスチャー認識や制御コマンドへの学習に,自己組織化マップやQ学習などが用いられていました.
最後の発表は,東工大の大村さんの社会的エージェントのための人間の社会スキル分析についてでした.Online BARNGAを用いて,異なったルールのチーム間で人を入れ替えることによって発生する暗黙のルールに観点を置いた研究でした.
2つのセッションとも少し部屋が狭く感じるくらいたくさんの参加者があり,活発な質疑応答が交わされていました.FSS2008でも感じましたが,「人間共生システム」に関して多くの研究者が興味を持ち,様々な観点からの研究がされていることを改めて感じました.また,研究者の輪も大きくなったと思いました.
セッション終了後,恒例になりつつある懇親会を行いました.今回は,急だったこともあり参加者は少な目でしたが,様々なことを語り合い,楽しい一時を過ご
しました.また今後も研究会や学会の企画セッションが予定されているので,皆様の活発なご参加をお願いし,報告を終わります.
プログラム
Special Session: Human Symbiotic Systems
Sep. 18 (Thu) 15:00 - 16:40
TH-D4 Human Symbiotic System I [Organizers: Yoichiro Maeda, Daisuke Katagami]
Co-Chairs: Daisuke Katagami, Tokyo Institute of Technology , Yoichiro Maeda, University of Fukui Room D
TH-D4-1: Automatic Generation of Tone Row Used Genetic Algorithm based on Twelve-tone Technique
Yusuke Kajihara, Yoichiro Maeda, University of Fukui
TH-D4-2: Proposed Kansei Model of the Relationship between Product Function and Product Color Preference
Eric W Cooper, Katsuari Kamei, Toshiaki Tamoi, Ritsumeikan University
TH-D4-3: Person Identification System using Clothes Color
Takuro Takada, Hitachi Advanced Digital, Inc.
Hiroshi Hashimoto, Advanced Institute of Industrial Technology
Eri sato-Shimokawara, Toru Yamaguchi, Tokyo Metropolitan University
TH-D4-4: Color Combination Support Systems using Interactive Genetic Algorithms
Hiroyuki Inoue, Dan Yuan, University of Fukui
Sep. 18 (Thu) 17:00 - 18:00
TH-D5 [Organizers: Yoichiro Maeda, Daisuke Katagami]
Co-Chairs: Yoichiro Maeda, University of Fukui , Daisuke Katagami, Tokyo Institute of Technology Room D
TH-D5-1: Perceptual System for Intelligent Control of Robot Arms: The Task of Clearing the Table
Hiroyuki Masuta, Chia Chengta, Naoyuki Kubota, Toru Yamaguchi, Tokyo Metropolitan University
TH-D5-2: Learning Symbolic Expressions from Gesture Interactions between Human and Robot
Tomonori Hashiyama, Tomohito Esaki, Shun-ichi Tano, Junko Ichino,T he University of Electro-Communications
TH-D5-3: Recognition of Implicit Rules on the Simulation Game BARNGA -Toward Development of Social Agent-
Hidefumi Ohmura, Daisuke Katagami, Katsumi Nitta, Tokyo Institute of Technology
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