　岡山にて，日本知能情報ファジィ学会主催の国際会議SCIS&ISIS2010が開催され，HSS研究会でもSpecial Session "Human Symbiotic System"（Organizer: Y.Maeda, H.Inoue）を組ませていただきましたので，これについて簡単にご報告いたします．　会場の岡山コンベンションセンターは岡山駅と隣接しており，駅から数分で会場入りでき，非常に参加者には利便性の良い場所でした．しかしながら，今年度のSCISは参加者約300名と，広島のFSS2010の参加者400名よりも少なく，やや寂しい感じがしました．HSS企画セッションは初日（12/8はレセプションのみ）の12/9午前９時からの最初のセッションであったため，参加者は最大で20名程度でしたが，トータル10件の発表では非常に活発な質疑応答がなされました．


写真1　会場への案内掲示風景	写真2　午後からの第２セッションの風景

　１つ目のセッションは，私が司会で５件の発表があり，名工大：中村研１件，名古屋大：古橋・吉川研２件，福井大：井上研１件，首都大：久保田研１件と多彩な顔ぶれでした．発表内容も，感性評価手法あり，色彩評価あり，パートナーロボットありでそれぞれの多様な最新の研究成果についてじっくり聞くことができました．
　２つ目のセッションは，井上先生（福井大）が司会で，福井大前田・高橋研究室の研究発表をまとめて５件発表させていただきました．すべて学生の発表で，中には英語のプレゼンテーションがやや不安になる者もおりましたが，会場の先生方の好意的な質問のおかげで，なんとか無事終えることができました．
　初日の12/9の夜には例によって，企画セッション参加者（福井大，名古屋大，名工大，中京大，首都大，NECの教員および学生）１３名とともに居酒屋で懇親会を開催しました．岡山名物の「ままかり」という酢漬けの魚など，おいしいものをたくさん食べ，いつもの吉川先生の総指揮のもと，楽しい宴会となりました．
　さらに，翌日の12/10の午前中は，朝から宿泊ホテルから歩いてすぐ近くにある岡山城と後楽園を，岡山が初めてという研究室の学生（M１学生だったので就職活動のためこの日で学生は帰りました）を連れて見学してきました．思いのほか好天に恵まれ，青空の美しいお城と庭園の景色が撮れましたので，参考までに掲載しておきます．


写真3　岡山城	写真4　後楽園

　また３日目の12/11には，古橋教授（名古屋大学）の特別講演 "Data Visualization for Kansei Analysis" がありました．人間共生システムにも密接に関係している感性評価ツールに関する講演であっため，とても興味深く聞くことができました．クラスタリングでは定番のDendrogramに始まり，PCA，kernel PCA，MDS，ISOMAP，C＋MDA，さらに最近のCGA（カーネルファジィC-maens法）に至るまで，様々な感性評価手法についての紹介がありました．具体的な実例を交えて，感性評価した結果をもとにそれぞれの特徴をわかりやすく解説されていました．多角的なユーザの感性評価を行う場合に，非常に素晴らしいツールになると思われます．


写真5　発表後に観光を楽しむ学生	写真6　古橋先生（名大）の特別講演

　今後のSCISもこれまでどおり継続的に企画セッションを組めることを願って，簡単ですが，私からの報告とさせていただきます．

プログラム

SCIS & ISIS 2010, Dec. 8-12, 2010
Okayama Convention Center, Okayama, Japan

Special Session "Human Symbiotic System"
Organizers: Yoichiro Maeda, Hiroyuki Inoue (University of Fukui)

Dec. 9 (Thu) 9:00 - 10:40
●TH-B1: Human Symbiotic System Ⅰ (Room B)
Co-Chairs: Yoichiro Maeda, Hiroyuki Inoue (University of Fukui)

1) TH-B1-1: Example-based Design of Artistic Calligraphy Fonts
Yutaka Goda (Okuma Corporation), Tsuyoshi Nakamura (Nagoya Institute of Technology), Masayoshi Kanoh (Chukyo University)
2) TH-B1-2: A Study on Extraction Method of Pairs of Questions with Opposite Meanings Based on Distance between Questions
Yosuke Watanabe, Tomohiro Yoshikawa, Takeshi Furuhashi (Nagoya University), Eiji Hirao, Hiroto Iguchi (NEC Corporation)
3) TH-B1-3: A Study of Visualization Method with HK Graph for Free Text Using Grouping Words Based on Their Concept
Daisuke Kobayashi, Tomohiro Yoshikawa, Takeshi Furuhashi (Nagoya University), Eiji Hirao, Hiroto Iguchi (NEC Corporation)
4) TH-B1-4: Color Combination System of Signboards to Blend in with Landscape by Interactive Genetic Algorithm
Hiroyuki Inoue, Chie Inoue (University of Fukui)
5) TH-B1-5: Interactive Evolutionary Computation for Appearance Design of Robot Partners
Koh Nishimura, Naoyuki Kubota (Tokyo Metropolitan University)

Dec. 9 (Thu) 13:00 - 14:40
●TH-B3: Human Symbiotic System Ⅱ (Room B)
Co-Chairs: Hiroyuki Inoue, Yoichiro Maeda (University of Fukui)

6) TH-B3-1: Group Behavior Learning in Multi-agent Systems Based on Social Interaction among Agents
Kun Zhang, Yoichiro Maeda, Yasutake Takahashi (University of Fukui)
7) TH-B3-2: Effective Emotional Model of Pet-type Robot in Interactive Emotion Communication
Ryohei Taki, Yoichiro Maeda, Yasutake Takahashi (University of Fukui)
8) TH-B3-3: Relaxation Effect Measurement Method Used Brain Wave Feature Extraction
Ryosuke Ichii, Yoichiro Maeda, Yasutake Takahashi (University of Fukui)
9) TH-B3-4: Inverted-pendulum Mobile Robot Motion Learning from Human Player Observation
Sataya Takahashi, Hiroaki Nonoshita, Yasutake Takahashi, Yoichiro Maeda (University of Fukui)
10) TH-B3-5: Human Pointing Navigation of Mobile Robot with Spherical Vision System
Kyohei Yoshida, Fuminori Hibino, Yasutake Takahashi, Yoichiro Maeda (University of Fukui)