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前田陽一郎
(立命館大学)
片上大輔
(東京工芸大学)

「第12回HSS研究会」

研究会開催報告

報告者 吉川大弘(名古屋大学)

■日時:2012年3月5日(月)〜6日(火)

■場所:福井県丹生郡越前町 さかえ旅館

 日本知能情報ファジィ学会人間共生システム研究会の第12回HSS研究会が,2012年3月5日(月)〜6日(火),福井のさかえ旅館(写真1〜3)にて開催されました.本研究会の報告を,名古屋大学の吉川がさせていただきます.今回と同様の形式でのHSS研究会は,2年前に同じくさかえ旅館で開催されています.私はその時の研究会には参加できなかったのですが,後からその様子(研究会の様子です.カニではありません!)を聞きまして,参加できなかった悔しさで夜も眠れなかったことを覚えております.それ以来,2年間で5時間くらいしか眠れなかったのですが,今回参加できたことで,ようやくこれからはぐっすり眠ることができそうです.

さかえ旅館1
写真1 さかえ旅館1
さかえ旅館2
さかえ旅館3
写真2 さかえ旅館2
写真3 さかえ旅館3

 初日となる5日(月)の午後は,研究会幹事の方々が各々15分の発表を行い(プログラム中の写真),それぞれ最近の研究成果や,研究室で行っている研究の全体像などをお話しされました.内容も,ロボットなどのハードウェアから解析ツールなどのソフトウェア,また癒しやリラックスといった心理的なインタラクションから社会集団での相互インタラクションやリハビリまで,幅広く網羅されていました.ただ,皆さん内容が濃いのなんの...各1時間あっても議論し尽せない内容を,ぎゅーっと15分に濃縮しての発表なので,とても充実した発表会となりました.研究会に参加できなかった方々には,ゴーヤから青汁...いやいや,マスクメロンから完熟マンゴーまで,様々な400%濃縮果汁ジュースを,10本飲み続ける感じを想像いただければ,その場にいた気分が味わえる(?)かと思います.

 夜は福井,そしてさかえ旅館名物のカニ料理が(写真4〜7)!!!ただし,本研究会,決してカニを目的として開催されているわけではありません.たまたま,開催した福井の名物の一つがカニで,たまたま,宿泊した旅館の名物もカニで,たまたま,時期が旬だったので,夕食メニューにカニが選ばれたようです.たまたまです.しかしさすが名物&旬!そのおいしさたるや,私が2年間で眠れた5時間の夢で見たそれとは,比べものになりませんでした.夕食が始まると,さっきまでの熱いディスカッションはどこへやら,皆さん黙々とカニをほおばり,静かな夕食時間が過ぎていきました.

写真4 カニーーーーー!!! 1
写真5 この瞬間,皆が一斉にFacebookにup!
写真6 カニーーーーー!!! 2
写真7 カニーーーーー!!! 3

 夕食の後は懇親会です.本来ならお酒を飲みながら親睦を深める場ですが,午後の発表の積み残しが4件...1件当たり,質疑応答含め20分,10件で4時間用意されていたので,どう計算しても十分なはずだったのですが,さすがに400%の果汁ジュースは濃厚すぎました.休憩時間も0にして発表を進めていったのですが,6/10で4時間をフルに使ってしまいました.懇親会での積み残し発表では,さすがにお酒が入ってからの発表です.ディスカッションもまったく収束しない...2時間使って2件...さらに2件の積み残しです.もはやただの100%ジュース.その後,明日の前哨戦として,HSS研究会の今後の方向性について,午前1時まで熱い討論が続きました.

 2日目は,まずは積み残しの2件の発表...30分前倒しで始めたのに,午前中の残り時間は45分となって,本研究会の2本柱の一つ「HSS研究会の今後の課題および方向性」について,出席幹事全員によるパネルディスカッションが行われました(写真8,9).研究会幹事だけでも39名となり,規模でも活発さでも日本知能情報ファジィ学会の中で最大級に成長してきたHSS研究会ですが,大規模化,そしてベンチャー研究会としての発足から4年経ち,研究部会・学会5本柱への昇格という節目を迎えた現在,研究会の今後の在り方を考えるよい機会になったと思います.HSS研究会の中で,いくつかの研究グループをつくることや,HSS独自のシンポジウム(HSSS?)の開催,学生を中心とした,研究会提供の奨励賞や発表賞の実施,学生を中心メンバーとしたプロジェクトやコンペティションの実施など,主に学生をエンカレッジするための色々な案が出されました.

写真8 パネルディスカッション(2日目)1
写真9 パネルディスカッション(2日目)2

 最後(2日目午後.火曜日.)はエクスカーション(体験見学会)です.福井大学の高橋先生が9つの候補(下記プログラム参照)をご準備され,懇親会の席でPPTを使って各々の候補を紹介されました.行き先の施設について,内容など細かくご紹介いただいたのですが,終わってみれば,9つのうち実に4ヶ所が「火曜日休館」,そして4ヶ所が「車で2時間かかります」とのこと.お酒の席でもあり,1ヶ1ヶ皆からのツッコミが入ることで,なんと1時間にわたる「残念ながら休館日ですショー」となりました.それでも,次の日の朝まで「皆さん(9個の候補の中で)どこ行きたいですか?」と,何度もお聞きになる高橋先生.すばらしい.結局,唯一(9−4−4=1)の候補となった越前陶芸村に行き,皆で皿やコップを作りました(写真10〜12).正直,思ったよりも楽しかったです.

写真10 エクスカーション(陶芸館にて陶芸品作り)1
写真11 エクスカーション(陶芸館にて陶芸品作り)2
エクスカーション(陶芸館にて陶芸品作り)3
写真12 エクスカーション(陶芸館にて陶芸品作り)3

 なお,私,報告記を頼まれながらカメラを持っていかなかったため,本報告に使用した写真は,福井大学の高橋先生に無理を言って撮っていただいたものです.高橋先生,ありがとうございました.また,色々と細かな注文をつけて申し訳ございません.また,福井大学の前田先生にも写真をご提供いただきました.ありがとうございます.

 この報告記を読まれた方は,やはり「カニ研」か,と思われたと思います....が,それは私の書き方の問題でして,実際の研究会はそれはもう,真面目かつ密度の濃いもので,懇親会に持ち越された飲みながらの発表や2日目のパネルディスカッションを含め,終始全員が熱心な議論を交わし合う,充実した2日間でした.おまけでカニが食べられる,真面目な「HSS研究会」です.でもカニ最高です.

 最後に,備忘のために2点.
1)次回懇親会は,それぞれの地方の名酒を持ち寄りましょう.でも全員が一升瓶かかえてくると大変なことになります.
2)少なくとも今回参加した幹事メンバーは,誰一人として15分で発表をまとめるのは無理です.次回から,一人につきバッファを40分ほどご用意ください.





プログラム

3/5(月)

13:00 福井駅集合(昼食後13:00 集合)から車で移動
14:00〜14:10 開会の挨拶 研究会代表幹事 前田陽一郎

14:10〜16:00 一般発表(第1セッション)(4 件)座長 前田陽一郎
1 件20 分(15 分発表5 分質疑)

  • HSS-11-1 前田陽一郎(福井大)「HSS 研究のこれまでの試みと今後の方向性について」
前田陽一郎(福井大)「HSS 研究のこれまでの試みと今後の方向性について」

  • HSS-11-2 高木英行(九州大)「EC/IEC の高度化とIEC の人間科学への応用」
高木英行(九州大)「EC/IEC の高度化とIEC の人間科学への応用」

  • HSS-11-3 増田寛之(神奈川大)「人間共存型ロボットシステムのためのミドルウェア技術」
増田寛之(神奈川大)「人間共存型ロボットシステムのためのミドルウェア技術」

  • HSS-11-4 加納政芳(中京大)「インタラクションから得られるBabyloid の心的印象変化」
加納政芳(中京大)「インタラクションから得られるBabyloid の心的印象変化」

  • HSS-11-5 星野孝総,木屋亮(高知工科大) 「タッチパネルデバイスiRoom を用いた認知運動療法リハビリテーションシステムの開発&簡易ロボットを用いた対面行動の基礎研究」
星野孝総(高知工科大) 「タッチパネルデバイスiRoom を用いた認知運動療法リハビリテーションシステムの開発」
木屋亮(高知工科大) 「簡易ロボットを用いた対面行動の基礎研究」

休憩(20 分)
16:10〜18:00 一般発表(第2セッション)(4 件)座長 加納政芳
1 件20 分(15 分発表5 分質疑)

  • HSS-11-6 片上大輔(工芸大)「社会集団に必要なHSS 研究」
片上大輔(工芸大)「社会集団に必要なHSS 研究」

  • HSS-11-7 高橋泰岳(福井大)「環境とのインタラクションを通した知的システム」
高橋泰岳(福井大)「環境とのインタラクションを通した知的システム」

  • HSS-11-8 吉川大弘(名古屋大)「可視化型データ解析支援ツールVDA(Visual Data Analyzer)の開発」
吉川大弘(名古屋大)「可視化型データ解析支援ツールVDA(Visual Data Analyzer)の開発」

  • HSS-11-9 井上博行(福井大)「地域課題研究と人間共生システム」
井上博行(福井大)「地域課題研究と人間共生システム」

  • HSS-11-10 山崎洋一(関東学院大)「非言語表出を用いた人とロボットのインタラクション」
山崎洋一(関東学院大)「非言語表出を用いた人とロボットのインタラクション」

休憩(10 分)
18:00〜19:00 入浴
19:00〜21:00 夕食
21:00〜23:00 懇親会(夜の部)

 

3/6(火)

8:00〜9:30 朝食

10:00〜12:00 一般発表(第3セッション) 座長 片上大輔
幹事全員によるパネルディスカッション
「HSS 研究会の今後の課題および方向性について」 1 件5 分〜10 分

  • 前田陽一郎(福井大)「HSS 研究会の経緯と今後の活性化提案」
  • 片上大輔(工芸大)「研究会活性化のためのアイデアについて」

12:00〜13:00 昼食(各自自由)

13:00〜16:00 エクスカーション(体験見学会)(主担当:高橋先生)
以下の候補地から参加者の意見を聞いて行き先を決め,車に分乗してそれぞれ個別見学後,福井駅で自由解散.
1) 越前がにミュージアム(越前町)
http://www.echizen-kk.jp/kani.htm
2) 水仙ランド(越前町)
http://www.echizen-kk.jp/suisen.htm
3) 越前陶芸村(越前町)→陶芸教室
http://www.togeikan.jp/
4) ふるさと・ふれあい道場(今庄)→そば打ち体験
http://www.ikedaya.or.jp/douzyou.html(但し、3/6は定休日)
5) 越前和紙の里(今立)→越前和紙の紙すき体験
http://www.echizenwashi.jp/(やや遠い)
6) 眼鏡ミュージアム(鯖江市)→めがね手作り体験
http://www.megane.gr.jp/museum/(できて2年目)
7) その他(7)東尋坊、8)永平寺、9)大野城など)本厚木駅にて解散(送迎バス)