参加報告
報告者:山本壮太(福井大・4年生)
日 時:2009年9月17日(木)〜18日(金)
会場:会津大学
2009年9月17日〜18日に、会津大学にて、第19回インテリジェント・システム・シンポジウム(FAN 2009)が開催されました。今回は第1回アウェア計算国際ワークショップ(IWAC 2009)と合同で行われました。また初日において、人間共生システムのセッションが午前・午後を通して3セッション組まれ、本研究会メンバーを含む9名の方々が発表されました。
第1セッションは福井大学の前田先生の司会でした。まず、福井大学の滝氏が人とロボットのインタラクティブ情動コミュニケーションの発表をされました。人間の動作から情動を推論し、ロボットが反応して発生させた情動に基づく行動を行うためのモデルを提案されました。実験モデルとしてAIBOを使っており、情動を表現するのが難しそうでした。発生させた行動がうまく人間に伝わるかという点も重要だと思いました。
続いて、福井大学の梶原氏から遺伝的アルゴリズムを用いた自動作曲のためのリズム生成手法の発表がありました。12音技法に基づいた遺伝的アルゴリズムにより生成された音列を元にリズムを作る手法を提案されました。生成された音楽は現代音楽のようなイメージを受けました。
次に、九州大学の劉氏の並列IECユーザの評価特性の類似度と協調作業効率の関係について、劉氏が卒業で不在のため九州大学の高木先生が発表されました。擬似ICEユーザを使って並列ICEと単独ICEの効率の関係について擬似ICEユーザを使ってのシュミレーションの結果を使って説明されました。
休憩を挟んで福井大学の井上先生の司会で第2セッションが始まりました。まず、立命館大学の串田氏から対戦型ゲームのための階層型ファジィART学習システムの発表がありました。動的環境である対戦型ゲームにおいて、学習度合いに応じて段階的に状態空間を構成する方法を用いて、対戦相手の戦略の変化に適応可能な学習をするシステムを提案されました。
次に、立命館大学の中岡氏からSOMによるグループ意思決定支援システムの発表がありました。感性評価とグループ意志決定を融合した支援システムでであり、SOMに表現されたユーザの評価状況を見ながらの支援により自動車購入をテーマとした評価実験を行ない、ユーザの満足度をもとに評価が行なわれていました。
続いて、福井大学の井上先生からペット型ロボットの基本動作のモデル化と感性分析の発表がありました。ロボットが各個人の好みなどを理解し動作する対話型遺伝的アルゴリズムを用いた動作生成の提案がありました。
昼食をはさんで第3セッションが九州大学の高木先生の司会で始まりました。まず、大分大学の長野氏から実用的なコンテンツに基づく3DCGのための学習援助システムの発表がありました。3DCGを感覚的に作ることができ、またコマンドラインからも操作できるシステムでした。3DCGはプログラミングで作るのは難しく、このシステムを使うと初心者でも比較的簡単に作れるように思われました。
その後、東北工業大学の千葉氏からロボット手先動作画像観察時の注視位置特性の発表がありました。ロボットの他者観察時の注視機能の実現に向けて、ロボットの手先の画像を観察した人間の注視特性を検証されました。
最後に、九州大学の高木先生から対話型PSOの発表がありました。対話型GAと対話型PSOの比較をされ、対話型PSOが量子ノイズを受けると誤差が大きくなってしまうという問題点を不活性固体の排除などのノイズ対策を施すという改善策により解決されました。
今回の会場となった会津大学のそばには会津城があり、白虎隊などの展示物がありました。また、天守閣からは会津若松の町の景色を一望することができました。
プログラム
1日目 【9月17日(木)】
10:15〜11:35 人間共生システム セッションT
司会:前田 陽一郎(福井大学)
10:15〜10:35 A1-1
「人とロボットのインタラクティブ情動コミュニケーション」
○滝 僚平, 前田 陽一郎(福井大学)
10:35〜10:55 A1-2
「遺伝的アルゴリズムを用いた自動作曲のためのリズム生成手法」
○梶原 悠介, 前田 陽一郎(福井大学)
10:55〜11:15 A1-3
「並列IECユーザの評価特性の類似度と協調作業効率の関係」
○劉 暢, 高木 英行(九州大学)
11:50〜13:15 人間共生システム セッションU
司会:井上 博行(福井大学)
11:50〜12:10 A2-1
「Learning System Using Hierarchical Fuzzy ART for Two-Player Games」
○Jun-ichi Kushida, Iori Nakaoka (Ritstumeikan University), Kazuhira Oba(Nihon Fukushi University)and Katsuari Kamei(Ritsumeikan University)
12:10〜12:30 A2-2
「Applications of GDSS Using SOM to Selection of Automobile and Travel Plan」
○Iori Nakaoka, Miyuki Matsumura, Jun-ichi Kushida(Ritstumeikan University), Kazuhira Oba(Nihon Fukushi University)and Katsuari Kamei(Ritsumeikan University)
12:30〜12:50 A2-3
「ペット型ロボットの基本動作のモデル化と感性分析」
○井上 博行, 郭 玲玲(福井大学)
13:15〜14:10 昼食
15:25〜16:45 人間共生システム セッションV
司会:高木 英行(九州大学)
15:25〜15:45 A3-1
「A Learning Aid for 3D Visualization Based on Practical Contents Generation」
○Tatsuo Nagano, Shogo Sueyasu, Hiroaki Nishino, Tsuneo Kagawa, and Kouichi Utsumiya(Oita University)
15:45〜16:05 A3-2
「ロボット手先動作画像観察時の注視位置特性」
○千葉 和也, 藤田 豊己(東北工業大学)
16:05〜16:25 A3-3
「対話型PSO」
○中野 雄, 高木 英行(九州大学)
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