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お問い合わせ先
前田陽一郎
(立命館大学)
片上大輔
(東京工芸大学)

インテリジェントシステムシンポジウム(FAN2010)
企画セッション「人間共生システム」開催報告

参加報告

報告者 一井亮介、滝僚平、日比野文則(福井大学)

■日 時:2010年9月25日(土)〜26日(日)

■場所:首都大学東京 南大沢キャンパス

9月25〜26日にFANシンポジウムが首都大学東京南大沢キャンパスにて開催されました。南大沢駅から会場までの通りは、アウトレットモールになっており休日だけあって非常ににぎやかでした。会場内では、首都大学東京のシステムデザイン学科の学生さんがデザインしたロゴが入った美しいポスターが掲示されておりました。

写真1 会場周辺のアウトレットモール
写真2 会場の首都大学東京
写真3 学生がデザインしたロゴ入りポスター

人間共生システムのセッションは1日目の午前・午後を通して3セッション組まれ、計10名の方々が発表されました。セッションでは様々な意見や議論が飛び交い、研究を進展させていく上でとても有意義な場となりました。2日目にはRobocupセッションが午前、午後の3セッションに渡り行われ、当研究会のメンバーからも発表がありました。筆者も発表させて頂きましたが、質疑応答時にRobocupの他リーグの方からも意見を頂くことができ非常に刺激を受けました。

写真4 HSSセッション会場
写真5 発表の様子

また会場内では、企業展示ブースが設けられ学習実験用のロボットや、悪路に適したクローラー型ロボットなどのデモが行なわれていました。

最終日の閉会式においてベストプレゼンテーション賞の表彰があり、本セッションで発表された滝僚平氏が選出されました。しかし当の滝氏が不在であったため、急遽代理で前田先生が表彰状を受け取るというハプニングが発生しました(写真7参照)。

写真6 企業展示ブースにて
写真7 代理で表彰状を受け取る前田先生

最後に人間共生システムのセッションでは、とても興味深い発表がたくさんあり、我々報告者3名大変勉強させていただきました。これにて報告を終わらせていただきます。

プログラムと感想

9月27日(月)
OS8:人間共生システム(S2-3, S3-3, S4-3)


企画セッション:人間共生システム OS8 (1)
司会:片上大輔

S2-3-1 10:55-11:15
インタラクティブサウンド生成システムを用いたリラクゼーション効果の検証
○一井亮介 前田陽一郎 高橋泰岳 (福井大学)
一井氏からインタラクティブサウンド生成システムを用いたリラクゼーション効果の検証について発表がありました。カオスパラメータなどのパラメータも調整するとよりリラクゼーション効果が表れるのか興味があります。

S2-3-2 11:15-11:35
インタラクティブ情動コミュニケーションにおけるロボット動作の人間に与える癒し効果の解析
○滝僚平 前田陽一郎 高橋泰岳 (福井大学)
滝氏からインタラクティブ情動コミュニケーションにおけるロボット動作の人間に与える癒し効果の解析について発表がありました。脳波計測とアンケート評価の結果に違いがある場合はどちらを優先していくのか気になりました。

S2-3-3 11:35-11:55
マルチモーダルコミュニケーションを用いたパートナーロボットによる人間の意図理解
○森武 久保田直行 (首都大学東京)
森氏からマルチモーダルコミュニケーションを用いたパートナーロボットによる人間の意図理解についてご発表がありました。社会システム論を基にしているということで、社会や集団を意識したものなのかと感じました。

S2-3-4 11:55-12:15
快−覚醒平面における触角型ロボット表出要素の心理表出動作割り当て
○吉田泰隆 山崎洋一 元木誠 (関東学院大学)
吉田氏から快−覚醒平面における触覚型ロボット表出要素の心理表出動作割り当てについてご発表がありました。共感アンテナという人間には無いロボット独自のコミュニケーション要素がとても特徴的だと思います。


企画セッション:人間共生システム OS8 (2)
司会者:前田陽一郎

S3-3-1 14:30 - 14:50
異文化体験ゲームにおける集団適応性の評価と社会性分析
○片上大輔 (東京工芸大学)
片上氏の社会適応能力である暗黙のルールの獲得に注目したという視点にとても新鮮味を感じました。カルチャーショックを体験できる異文化体験シミュレーションゲームを基に実験を行い、自分が勝っているはずなのに負けているという状況に、いつ気が付きどう対処するのかを調査したところが非常に興味深いと思います。

S3-3-2 14:50 - 15:10
マルチエージェントにおけるソーシャルインタラクションに基づくグループ行動の形成
○張坤, 前田陽一郎, 高橋泰岳 (福井大学)
張氏からは自律エージェント間のソーシャルインタラクションを通じて、優れた強調能力を持つマルチエージェントの提案がありました。今回のハンターと捕獲者のようなタスクではなく、暗黙の協力グループを作ることで駆け引きを行うゲームで応用できたら面白いのではないかと感じ、今後の研究の発展が楽しみです。

S3-3-3  15:10 - 15:30
指尖容積脈波からの主観ストレス推定
小橋祐介, 佐野玄摩, S. RAVINATH REDDY, 中村剛士 (名古屋工業大学), 加納政芳 (中京大学)
小橋氏からは視覚情報が与えるリラクゼーション効果の客観的指標(心拍変動解析)と主観的指標(フェイススケール解析)の関係性についての発表がありました。発表後の質問では多くの質問や意見が述べられ、多くの聴衆の興味を惹きつけていたことが印象的でした。

S3-3-4 15:30-15:50
擬似同期を用いた動画共有による視聴者の感情強度変化
○亀井且有 豊田晃史 串田淳一 (立命館大学)
亀井氏からは、動画共有サイトのコメント機能を用いた感情強度変化の報告がありました。若者を中心にユーザが増加している動画共有サイトのコメント機能を利用して、擬似的に多数のユーザと共有している感覚を与え、感情強度の変化を測定するという新しい試みでした。


企画セッション:人間共生システム OS8 (3)
司会者:亀井且有

S4-3-1 16:05-16:25
ソフトコンピューティング手法を用いた模様画像自動生成システムの構築
○秋口俊輔 (富山高等専門学校)
秋口氏からは模様画像を自動生成するシステムについての発表がありました。複雑な模様をより少ないパラメータで操作でき、ユーザの負担を軽減するように工夫されていました。

S4-3-2 16:25-16:45
テクスチャ合成による点描画風画像生成
西山昴志 (名古屋工業大学) 蜂矢陽祐 (三菱電機) ○川嶋裕之 中村剛士 (名古屋工業大学) 加納政芳 (中京大学)

川嶋氏の発表は写真画像から点描画風画像を生成を行う研究でした。写真画像を人間の手で描いた絵画のように表現する試みは大変興味深く、製品化してみるのも良いのではないかと感じました。